生き続ける意味
「もう泣かないの。 ごめんな。俺が悪かったよ。
もう、そんなことしないから。
だから泣かないの。ただでさえ熱あるんだから上がっちゃうよ?」
...熱?熱あるの?
「じゅうぶん熱いよ。桜さわったとき、すぐわかったよ。
どれだけ外にいたの...。」
おでこにあてられた、亮樹兄ちゃんの手は冷たい。
...熱、あったんだ。
そんなことを考えてたら、亮樹兄ちゃんがまた真剣な顔になった。
「ねぇ桜?... 病気のこと、なんて言われたの?」
ビク
"病気のこと" そのワードだけで、体が震えた。
亮樹兄ちゃん、顔が真剣だ。
やっぱり... あたし、死んじゃうのかな?
「治療しないと... 危ないって。
...治療しないと、死んじゃうってことでしょ?
あたし、死んじゃう... 」
「そんなこと... ?」