生き続ける意味
「ねぇ桜。桜はどうしたい?」
ベッドで寝てると、ふと横から亮樹兄ちゃんの声が聞こえた。
「え?どうしたいって...なにが?」
亮樹兄ちゃんは、あたしの隣に椅子を置いて座った。
「んー、全部だよ。ぜんぶ。
学校も、病気も、高校も...治療も。
ほら、桜が救急車で運ばれてから入院になって、それからはあんまりお話してなかったでしょ?」
そう言われてみればそうだ。
受験が終わった直後から、病院に運ばれて、ずっと病院。
主治医も変わって、亮樹兄ちゃんと会う機会も減ったし。
あたしは天井を見上げた。
なんの意味もないけど、ただ見続けた。
頭がいっぱいで、まとまらないのもあるけど。
「俺ね、今は桜の家族として聞いてるんだよ。
医者として聞いてるんじゃない。」
え... ?どういうこと?