生き続ける意味
「ん?」
パーカーの裾をぎゅっとつかんで、口を開いた。
「あのさ...亮樹兄ちゃんは、なんで... なんであたしのこと...そんなに大切にしてくれるの?」
小声だった。
そりゃそう。こんなこと、なかなか聞けない。
でも、ずっと思ってた。
あたしが小学生の頃、初めて亮樹兄ちゃんに会ったときから。
最初はただの患者だったあたしに、どうしてここまで面倒見てくれたのか。
なんで...他にもたくさん患者さんがいるなかで、あたしだけこんな...。
もちろん、あたしは亮樹兄ちゃんのことが大好き。
もともとは親がいなくて、施設暮らしだったあたしに、初めて、ひとりじめして愛してくれたから。
でも、今回のことですこし考えちゃったんだ。
...亮樹兄ちゃんは、どうおもってるんだろう。
なんで、あたしを?
ほんとうに、迷惑じゃない?