生き続ける意味
「...亮樹は自分を責めてるけど、俺は亮樹だけの責任とは思わない。変わった方の医者ももちろん悪い。
たしかに、亮樹がミスしてしまった。だから主治医を変えた....。そこの判断は、俺は良かったと思ってるよ?」
思いがけない言葉に、俺は佑真の目を見た。
佑真は、さっきと変わらずに話続ける。
「だって、最近の亮樹を見て思った。
亮樹が桜ちゃんのことを大切なのはわかってる。でも、他の患者さんも大切...の"大切"とは、違うんだ。
桜ちゃんは身内だから、もちろん一緒に暮らしてきたんだから、"大切"なんかじゃなくて、桜ちゃんは亮樹にとって、“かけがえのないもの“なんだよ。」
俺はただ、佑真の言葉をひとつひとつ聞くしかできなかった。