生き続ける意味
すると、亮樹兄ちゃんはあたしの頭をぽんぽんとなでて。
「わかってる。桜が治るまで、ずっと俺だから。」
「...うん。」
話が終わっても、ずっと抱きついてた。
......なんか、離れたくない。
そう思って、もっとぎゅっとする。
「... 桜、どした?怖い?不安?」
あたしは首を振った。
そりゃ治療は怖いし不安だけど...。
「... 亮樹兄ちゃんも、ぎゅってして...」
もうかのなくような声で...。
すると、亮樹兄ちゃんの笑った声が上から聞こえた。
「はいはい、甘えたいんだね。わかったよ。」
そう言って、ぎゅっとしてくれた。
背中をぽんぽんとたたいて。
「ち、ちがっ...」
“甘えたい“って率直に言われて、恥ずかしくて体を離そうとするけど、ぐっと止められた。
「いいよ。きのうは大変だったもんね。
よく頑張ったよ。えらいね。」
......なんか、子ども扱い。