生き続ける意味
「もういいもん。...あ!そうだ!亮樹兄ちゃん。」
ふと窓の梅の花を見て思い出した。
「なぁに?」
「卒業遠足...ううん!卒業式だけでもいい!学校に行きたいの...」
じっと亮樹兄ちゃんの目を見て言った。
「卒業遠足かぁ......ねぇ桜?」
亮樹兄ちゃんはあたしの隣に座った。
「...なに?」
「あのさ、治療はいつからにしようか?」
その言葉を聞いた瞬間、体がかたまった。
そう。 "現実"は、そう甘くはない。
「......すぐ、やんなゃだめ?」
「...そうだね。 今の桜の場合、すぐ始めたほうがいいかな...」
そっか。
あたしはうつむいた。
じゃあ、卒業遠足も、卒業式もでれないね。