生き続ける意味
すると、実優は満面の笑みで。
「まあまあ細かいことは気にしなーい。」
ぜんっぜん細かくありません。
ちょっ、実優...そんなベッドにどかっと座って...お行儀悪っ...。
「桜、元気か?」
あたしの様子に、顔をのぞきこむ翔。
...なんか、ふたりとも笑顔だ。笑ってる。
楽しそう...。
なんだか、そういうのを見てるだけで、こっちまで楽しくなってくる。
だって、入院中はめったにそんなことないんだから。
「ふふっ...大丈夫。ありがと。」
思わず微笑むと、翔とハイタッチした。
........で。なんでここにふたりがいるわけ?!
ここ、病院ですよ...。
亮樹兄ちゃんは笑って言った。
「桜の合格祝い。ふたりがしてくれるって。」
あ~なるほど。合格祝い... ん?
待てよ?
あたし、思わずベッドから飛び降りて、亮樹兄ちゃんのもとへ駆け寄った。
「あ、あたしっ、合格したの?!」
亮樹兄ちゃんは微笑むと、ベッド横の引き出しから、なにやら大きめの封筒を取り出した。
「はい、桜。合格おめでとう!」