生き続ける意味
* 大切なものって...
「はい、針さすからねー。」
「んっ... いたっ...!」
まずはじめの治療が一段落し、どのくらいの結果が出たか、検査する。
そのためには、まぁあの針を何度も刺すわけで。
背中に痛みが走るけど、正直、あたしに抵抗する力なんてないに等しかった。
副作用で体のあちこちが悪くなるわ、髪の毛が抜けるわ...
もう、この治療期間で体力がなくなった。
だから、最近、あたしは本当にこの先の治療を耐えていけるのか... なんて思っちゃって。
「桜ちゃん、大丈夫?もう終わったよ?」
心配そうにあたしを見つめる茜さん。
最近、さらに元気がなくなってきているあたしに、心配してるんだろうな。
「終わった..?気がつかなかった。」
ほんとだ。いつのまにか刺したとこに処置されてるし。
「さくらー、大丈夫か?」
さすがの亮樹兄ちゃんも心配そうな声。