生き続ける意味
そこにいたのは、車イスに乗って、前にあったよりひとまわり痩せた晴ちゃん。
看護師さんに車イスを押してもらっている。
あたしは思わず晴ちゃんに駆け寄った。
「晴ちゃん?大丈夫?なんか痩せた?」
すると、力なくくしゃっと笑って。
「うん。すこし悪くなっちゃってさ。」
「そ、そうなんだ...。」
もう、聞かなくてもわかるくらい。
弱々しくて...。
「ねぇっ、桜ねーちゃん!あそぼっ!」
服の裾をぐいぐいと引っ張って、おねだりするヒナ。
「んー、わかったよ。行くか。」
そう、プレイルームに行こうとしたとき。
「桜ちゃんっ!」
晴ちゃんに呼び止められた。
振り向くと、晴ちゃんがグッと右手を差し出した。