生き続ける意味
「え?ヒナ、最近?」
「うん。遊びにいこうと思ったら、いないの。そしたら、はぁはぁ苦しそうなの... 。
マスクスースーするやつつけてるし...
おねーちゃん元気ないの... 」
マスクスースー?... あぁ、酸素マスクね。
でも... ほんとうか...
ひとり、ぐるぐると考え事をしていると、突然だれに後ろから持ち上げられた。
「うわっ。」
「こらっ!桜っ!」
そしたら、そのまま抱っこのように抱かれた。
そこには、すこし怖い声の亮樹兄ちゃんがいて。
「手当ての途中に勝手に出ていって... まったく。」
えっ、亮樹兄ちゃん?
「あっ!亮樹せんせー!」
うれしそうに笑うヒナ。
それをみて、亮樹兄ちゃんも笑った。
「ヒナちゃん、ごめんね。ちょっとおねーちゃん連れてくね?」
いや... だめ。ダメっていってヒナ。
「はーい。いいよー。」
ヒナっ!普段はしない良いお返事!
「ありがとう。」
にこっと微笑んだのもつかの間。
はぁとため息をつくと、そのまままたお部屋につれていかれる。
「あぁ... 亮樹兄ちゃんまって。ヒナおいていっちゃう... 」
すると、お尻をぱちんっと叩かれた。
「いいかげんにしなさい。桜、気づいてないの?背中、服に血がついてるよ?」
えっ... ?!