生き続ける意味
... 何?
思わず、そう言い返したくなった。
そして、それを押さえきれなかった。
「... どういうこと?」
晴ちゃんは、いつもと変わらないように苦笑いすると。
「前に... 言ったっけ。私の病気はさ、治らないの。
だから、進行するし。そしたら... 。」
あたしの目から視線を離した。
「学校行くのも、これで最後かなって。
ううん。学校だけじゃない。ぜんぶ、か。」
すこし寂しそうにつぶやいた。
すこし?ほんとにすこしだけなの?
... すこししか、かなしくないの?
ちがう。それより。
信じられなかった。
え?余命?生きてる期間を宣告されちゃうの?
誰に?お医者さんに?
自分の生きれる時間を?
そんなの、嫌だって。
それにッ... 今、生きてここにいる晴ちゃんが、いなくなっちゃうなんて... 考えられないよ。
「晴ちゃん... そんなことない!絶対... 絶対に治るって!治るよ!」
心の底から言いたかった言葉。
けど、あたしこんなこと言ってるけど、自分だって晴ちゃんと同じ立場になったら... 。
「そんなことあるよ。それに、治らない。
... わかるんだ。知りたくなくても。
どんどん体が動かなくなってくる。病気になった日から。
今日はここが動かなくなった... って。そのたびに思い知らされるの。
やっぱり、死ぬんだって。」
あたし、言葉が出なかった。
晴ちゃんはうつむく。