生き続ける意味
こんな晴ちゃん、みたことない。
あたしは... あたしは... なにができるの?
頭の中でぐるぐるしてると、声を聞いて看護師さんが駆け寄ってきた。
「どうしたの?」
隣をみると、知らない看護師さん。
あたふたと困っていて、晴ちゃんに声をかける。
「とりあえずお部屋戻りましょうか?落ち着こうね。」
優しく言われると、泣き止まない。
看護師さんはヒナを下ろして、車イスを押そうとした。
だめ... だめ。
「だめ!待って!」
とっさに叫んだあたし。
だめ。だめだよ。このままひとりにさせちゃ。
看護師さんにまかせちゃ。
あたしはヒナの手を引き、
「あたしが、連れていきます。だから、大丈夫です。」
そういって、車イスを押した。
「え?ちょっと名前は... 。」
看護師さんがあわてて止める。
「千崎... 桜です。もう、大丈夫ですから。」
そういうと、車イスをおして休憩ルームをあとにした。