生き続ける意味
行きたい。行きたいって!
「亮樹兄ちゃんのばかーっ!!」
そう叫んで、病室を出ていった。
なんで、なんでよ!
こんなの、おかしいよ。
だって、卒業式だよ。みんなと一緒に、最後くらい行きたい。
あたしだって... あたしは、好きで病気になってるんじゃないよ!
当たり前のことを、当たり前にできないって...
みんなが普通にしてることも、できないって...
あたしが、病気だからって...
あ。そうか。
あたしが、病気だからだ。
病気になっちゃったから。
結局、たどり着くのは... ここなんだ。
まっすぐ、ひたすらまっすぐ走ったら、小児科棟の端まで来た。
「はぁ... はぁ... っ」
息切れがひどくて、必死に息を吸う。
心臓がドクドク動いて、頭までドクドクと音をたててるみたい。
ここ、涼しいな。
窓が開いてる。
あたしは、そっと窓から手を出した。