生き続ける意味



行きたい。行きたいって!




「亮樹兄ちゃんのばかーっ!!」



そう叫んで、病室を出ていった。




なんで、なんでよ!


こんなの、おかしいよ。



だって、卒業式だよ。みんなと一緒に、最後くらい行きたい。



あたしだって... あたしは、好きで病気になってるんじゃないよ!


当たり前のことを、当たり前にできないって...


みんなが普通にしてることも、できないって...




あたしが、病気だからって...





あ。そうか。


あたしが、病気だからだ。


病気になっちゃったから。



結局、たどり着くのは... ここなんだ。





まっすぐ、ひたすらまっすぐ走ったら、小児科棟の端まで来た。




「はぁ... はぁ... っ」



息切れがひどくて、必死に息を吸う。


心臓がドクドク動いて、頭までドクドクと音をたててるみたい。




ここ、涼しいな。


窓が開いてる。


あたしは、そっと窓から手を出した。















< 586 / 737 >

この作品をシェア

pagetop