生き続ける意味
「あともうすこし。もうすこしだから。
頑張るよ?いい?」
「移植したあとも大変なんでしょ?
あたし知ってるもん。」
亮樹兄ちゃんは苦笑い。
また、あたしの頭をなでた。
「... ... 亮樹兄ちゃんって、頭なでなでするの好きなの?」
いつもあたしにしてるし... 。
びっくりした顔をして、声を出して笑いだした亮樹兄ちゃん。
「あははっ、なんで?いつもしてるから?」
すると、また撫でてきた。
ちょっと、もういいって... 。
「んー、まぁ桜が小さいとき... まだ出会ってすぐのとき、初めて大泣きしたことあるの。
めっちゃ泣きじゃくってさー。困ったとき、とりあえず頭撫でてみたら、すぐ泣き止んで。」
へー!そ、そんなことが。
「そう。それからずっとこれ。
泣いたときにこうやってたんだけど... 今でも癖だね。」
... つまり、あたしは小さい子どもに見えてるわけね。
あたし、もうすぐ16歳なんだけど... 。
亮樹兄ちゃんはにやっと笑って、また頭をなでた。
「まぁ今でも変わんねーかな?」
そんなこと言って。