生き続ける意味






「でもわざわざ来てくれるなんて思ってなかった。

亮樹兄ちゃんが言ってくれたの?」



亮樹兄ちゃんは首を振る。


苦笑いすると。




「ううん。俺が学校に連絡したとき、先生が言ってくれたんだぞ?

先生だけでもいいけど、それじゃ嫌だろうからやっぱりクラスみんなでって。」




せ、先生が?そんな、先生だけでも来てくれるなんて思ってなかったから...


そこまで考えてくれてたんだ。



「けど、考えたのはクラスの子たちらしいよ?

だから... みんなに感謝しなきゃな?お礼は言った?」






「うん!言ったよ!

... みんな、あたしのためにしてくれたんだね。」



いい友達をもったな...




あ、けど。


亮樹兄ちゃんを見つめた。


じっと見つめてると、くすっと笑った。



「... ねぇ、亮樹兄ちゃん。」



ゆっくり、声を小さくして言った。


亮樹兄ちゃんはあいかわらずな調子だけど。



あたし、知ってるよ。亮樹兄ちゃんは、しれっとなかったように、よそおってるけどね。












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