生き続ける意味








晴ちゃんは自分の手を見ると、首をかしげた。




「そんなかなぁ...今日は昨日とあんま変わらないよ。」





へ?昨日より?そ、そんなの変わらないに決まって... 。




でも、晴ちゃんは首を振った。





「私ねここ最近、日に日に体重が減ってきちゃって。

毎日毎日、朝測ってみると減ってるの。だから痩せちゃうんだけどね。」





ま、毎日?!毎日減ってくって、危ないんじゃ... 。


だって、体力なくなっちゃうし、栄養もとどかないし。




と、とりあえず中に入ろうよ。


なんだか座ってるのも大変そうだし。



あたしは看護師さんに代わって、車イスをベッドの近くまで押すと、ベッドに寝かせた。




「桜ちゃん、ありがと.... 」




そんなことはいいんだけど... 。



「晴ちゃん、治療大変なの?」



だから痩せちゃったのかな?


でも、晴ちゃんは笑って首を振った。




「ううん。治療はしてないよ?

私、ご飯食べれなくなっちゃってね。今はこうしてしゃべれてるけど、だんだんと喉の筋力が弱くなってきて... 」



そう喉に手を当ててる。



... え?何?



喉の筋力?弱まる?え、どういうこと?


思わず口に出てしまいそうになったけど、飲み込んだ。



喉の筋力が弱くなってご飯が食べれなくなってきた?




「... あのね。飲み込む力がなくなってきたの。

ほら、前に言ったでしょ?私の病気は、どんどん力がなくなって体が動かせなくなる病気だって。」



あっ... それ、聞いた。


たしか、... 筋力が弱くなっちゃって、手足とか... ううん。それだけじゃない。













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