生き続ける意味







『だんだん体のいろんな所が動かなくなって... 。

最後には、自分で息も吸えなくなって... 死んでいくんだろうね。』






いつしか晴ちゃんが行ってた言葉。




... 目の前が、真っ暗になった。


晴ちゃんが笑っている、その今の笑顔さえも、遠退いてみえる。




「ね、ねえ。食べれなくなったって... もとに戻るでしょ?」



"うん " って...


"うん " って言って... 。




けど。首を振った。



「戻らないよ... 。私の病気は治療がないもん。


進むだけ、だからさ。」




... すすむだけ?


進むだけ。



なんでこんなに必死で言ってるのか。


もちろん、それは晴ちゃんが治ってほしいから。


そうだよ。


けど。けど... あたし。




「け、けどさっ。希望だってあるじゃん。治る可能性だって... きっとあるに決まってるじゃん!治るの!!」



思わず叫んじゃった。



あたしの声は、病室中に響く。




晴ちゃんはびっくりして、あたしの顔をじっと見つめた。




「... ありがと。けど、私の病気で治った人は... 」



あたしは首を振る。



「違う... いる。いるって!」












< 615 / 737 >

この作品をシェア

pagetop