生き続ける意味
亮樹兄ちゃんが指を差した方を見ると、1番奥のベッドで、肩を上下させながら苦しそうに息をしている晴ちゃんだった。
「晴ちゃんっ………!」
思わず壁に手をつけた。
なんで、どうして?この間まで一緒に話してたのに。
酸素マスクつけて、管にいっぱい繋がれて…。
「晴ちゃん……なんでっ。
亮樹兄ちゃん、晴ちゃんなんでここにいるの?あたし、晴ちゃんと話したい!」
亮樹兄ちゃんの胸を叩きながら言うけど、小さく首を振られた。
「ここには入れないんだよ、桜。
気持ちはわかるけど…。」
「集中治療室にいるってことは、ほんとに悪い…の?
ねえ、亮樹兄ちゃん。またここから出られるよね。」
自分に言い聞かすように言った。
けど、亮樹兄ちゃんはうなずかない。
「桜……。今すぐには会えないな。だから、きっと良くなるって信じよう?
今、晴ちゃんも頑張ってるんだよ。」
真剣な顔を向けられ、コクリとうなずいた。
再び晴ちゃんの方を向く。
苦しそう。…また、一緒にしゃべれるよね。遊べるよね。
あんなケンカしたまま…最後なんて嫌だからね。