生き続ける意味
「桜……ほら、大丈夫大丈夫。晴ちゃんはここにいるから、な?」
亮樹兄ちゃんの優しい声で、少しだけ落ち着く。
しばらく泣いて、その間ずっと背中をトントンとたたたいてくれたり、頭をなでてくてた。
「ひっく…亮樹兄ちゃん…」
「ん、落ち着いた?息苦しくない?」
あたしは小さくうなずいた。
正直、かなり疲れた。
治療で体力がなくなってるあたしに、長時間泣くってすごく疲れる。
ぐったりしてると、亮樹兄ちゃんが歩き出した。
「桜、今日の検査は少ないから、もうすこしだけ頑張ってな?
あとは、今日だけ…許してあげる。」
なにが…?
頭の中がはてなでいっぱいになった。
亮樹兄ちゃんは微笑んだ。
「夕方だけ、ふつうの病室使おう。
それに…話したいこともあるしね。」