生き続ける意味
………。
亮樹兄ちゃんは、あたしの前髪を、そっとかきわけた。
「だからね、仕方ないんだよ。
桜は純粋に大丈夫って言いたかったんでしょ?
気休めとかじゃなくて。」
気休め…なんかじゃない。
「そんなの、当たり前…」
亮樹兄ちゃんは笑った。
「なら、いいんだよ。
それに、晴ちゃんもそのときはそう思ったかもしれないけど、ちゃんと気付いてくれるよ。
桜はただ、元気を出してほしくて言っただけだって。」
「気づいて…くれるかな?」
亮樹兄ちゃんは、微笑んでうなずいた。
「そっかぁ…それで言い合いになっちゃったのか。
でも、晴ちゃんよく聞いてたよ?桜は?って。大丈夫?って。」
えっ…
晴ちゃんが?言ってたの?
「うん、言ってた。俺が晴ちゃんと合うたびにね。
だから…大丈夫だよ。晴ちゃんは桜のこと、悪く思ってないよ。」
そう言って、頭をなでられた。
なんだか、胸の中にあった重い塊が、すっとなくなっていくみたい。
気持ちがすぅっと軽くなる。
「よかった…。」