生き続ける意味
〜亮樹side〜
「………え?」
一瞬、理解ができなくて、あっけらかんと桜を見つめていた。
…目を閉じている桜を。
…寝た?寝たのか?
いや、そんなはず…さっきまで寝てたし、それに今頭痛いって…。
もしかして。
俺は軽く肩をゆすった。
「おい、桜?…桜?」
強めにゆすっても、反応はなし。
それどころか、軽く叩いてもくたっとしている。
「うそだろ…?」
最悪の事態が頭の中をよぎる。
急に跳ね上がる脈拍。
俺は、桜の手首に手を当てた。
「……っ。はぁぁ…」
いつもより弱めではあるが、脈はちゃんとある。
よく見れば、体をゆっくり上下させて呼吸もしてる。
俺は、大きな息をついて床にしゃがみ込んだ。
「…だよな、そうだよな。…まじであせったぁ…」