生き続ける意味

「だから......。」


亮樹兄ちゃんの声が苦しそうに弱まってる。


「前みたいに、また頑張れる?」


まっすぐあたしの目を見て言われた。


たったちょっとの言葉だけど、あたしにはこころにずしんとのりかかった。


......まるで、重いなまりの先がとがっているかのように、あたしのこころをさいていく気がする。


いやなモヤモヤが胸の中でうめつくされる。


もう、目にはあふれそうな涙がたまっていて。


「前って...また苦しいこと?辛いこと?痛いこと...?...ぜんぶするんでしょ。」

< 65 / 737 >

この作品をシェア

pagetop