生き続ける意味
嘘。嘘だ。
嘘だよね?
まさかっ、死んじゃうなんてこと…
ある……はずが……
ない、ことは、ないんだ…。
自分の手を見つめると、白い。
冷たいし。
ここが、どこなのかもわからない。
死んじゃったのか。
死んでなかったのなら、ここはどこなのか?
そう思うけど、不思議と怖くはなかった。
なんだかわからない。けど、なんか怖くはない。
『こんな長い時間、一緒にいると、不思議と家族みたいな存在になるんだよ。』
っ………
そっと、そこにいる亮樹兄ちゃんを見てしまった。
いつか、言ってたな。
本当の家族みたいって。
言ってくれた……
そうだ。いつしか、あたしが家飛び出して、亮樹兄ちゃんにひどいこと言ったのに…
亮樹兄ちゃんは、家族だからって……言ってくれた…
あたしは、何度も何度も不安になったり、拒否しちゃったりしたけど…
亮樹兄ちゃんは、ちがう。
一度もあたしを見放さずに、一度も嫌いなんて……どうでもいいなんて言わなかった。
だって……あたしは言えば他人だよ?
ただ、小さい頃に出会って、たまたま主治医になって、
それであたしに両親がいないってこと知って引き取ってくれた。
他人なのに……こんなに優しくて、あったかくて、本当の子どもみたいに接してくれる人なんて…他にいない。