生き続ける意味
「桜、わかるか?俺のこと!」
こくんとうなずく桜。
思わず、桜を抱きしめた。
「よかった……!!ほんとに。」
「桜ちゃんが目を覚ました…!もうっ、良かったぁっ…」
桜の手を握りながら、茜さんは崩れ落ちた。
もう涙が止まらなかった。
けれど、桜はキョトンとした顔だった。
「亮樹兄ちゃん…?茜さん…?なんで泣いてるの?どうしたの…?」
桜の手が、俺の頭に乗った。
優しく、なでられていた。
「ほんとにっ!2週間以上も眠ったままだったんだからな!」
「に、2週間…?!」
覚えてないのか、目を丸くした。
自分で酸素マスクを取ると、ゆっくり戸呼吸をした。
「…なんか、いっぱい管ついてる。」
自分の体を見て、不満そうにくちびるをとがらせた。
「桜ちゃんが頑張った証拠ね!」
茜さんが笑いながら言う。