生き続ける意味
☆ それでも生きる意味
* 最後の試練
あたしが目を覚ましたとき、目の前はすごくまぶしかった。
差し込むように日の光が目にきて、明るかった。
その瞬間、少しだけなつかしい頭の痛みが戻ってきた。
「んっ……」
ここはどこだ?まだ夢の中?
それとも、戻ったの?
最初はそう思ってた。
けど、すぐに亮樹兄ちゃんと茜さんが来て、ここは現実なんだってわかった。
亮樹兄ちゃんがあたしをぎゅっとしてくれて、茜さんが手を握っててくれたから。
久々に触れた体温は、すごく懐かしくて泣きそうになった。
「検査、あとどのくらいたったらやるのかな…」
それにしても。不思議な夢を見たなぁ。
けど、悪い感じはしなかった。
ちょっと、こころがあったかくなった気がする。
『こんどは、あたしがみんなに感謝を返すからね。』
「ふふっ…」
亮樹兄ちゃんが出て行く間際に言ったから、聞こえたかどうかはわからないけどね。
まぁいいや。
ちょっと気持が楽になったし。
「あーそれにしても、なにこの管。動きづらすぎるよー。」