生き続ける意味
コンコンッ
んー、なんか音したような…
検査がさっき終わり、病室でゆっくりしてた頃。
検査はいつも通り。久々でめっちゃ痛く感じたけど……。
「お邪魔しまーす…」
小声で挨拶が聞こえた。
ん?なんか、聞いたことある声…
ドアの方を見ると、制服姿のふたり…
も、もしかして…
重い腰を持ち上げ、ベッドに座った。
「翔、と実優…?」
久しぶりすぎるふたりに、ぽかんとしてしまった。
「さ、桜?桜なの?」
「お前、目が覚めたのか…?」
「うんっ…久しぶり。翔、実優……って!」
実優があたしに抱きついてきた。
翔も持っていた荷物をドサッと落として、駆け寄った。
「ひっく…ふっ…桜ぁ!桜だぁ…!生きてる…!」
あ、あの勝手に殺さないでほしい…
それに、まだ体調は悪いし。
実優はめいいっぱいあたしに抱きつくと離れ、ぎゅっと手を握った。
「実優、心配かけてごめ……」
その瞬間、再び体があたたかいものに包まれた。