生き続ける意味
半分、聞きたくて半分、聞きたくない。
まぁ結果はわかってるようなもんだけど。
やっぱり、期待しちゃうじゃん。もしかしたら…って。
けど、体力のギリギリにけずられた挙句、意識を失ったあたしに、正直そんな期待するだけ無駄かもって思う。
ほんとは、わかりきってることなんだよね。
走ってきたってことは、そうとう一刻を争うことなの…?
心臓がドキドキして、押しつぶされてしまいそう。
「あっ……翔と実優ちゃん来てたの?ありがとうね!」
「い、いえっ。」
亮樹兄ちゃんはあたしたちをひと通り見ると、車イスを出した。
へ?な、なに?
手早くセッティングすると、あたしは抱きかかえられ、車イスの上へ。
「えっ?ちょっと亮樹兄ちゃん?」
亮樹兄ちゃんは翔たちの方を向くと、苦笑いした。
「ふたりともごめん!ちょっと待っててくれないかな?少し桜と話があって。」
それにすぐに頷いたのは翔だった。
「うん、わかった。」