生き続ける意味
「あっ、はい!もちろんです!」
あわてて実優もうなずくと、あたしたちは病室を出た。
少し急ぎ目に車イスを押す亮樹兄ちゃん。
なにをそんなにあせってるの…?
「ねぇ、亮樹兄ちゃん?どこ行くの?」
「診察室。ちょっと話しよう。」
…診察室。これはまちがえなく検査の結果だ。
ますます鼓動が早くなってきた。
車イスを押すスピードよりも早く。
どうしよう。大丈夫っていったけど、そう思ってたけど…やっぱり不安でしかたない。
亮樹兄ちゃんのただよらぬ表情。
もし、いや悪い方の確率が高いのかな?
もう、治らないとか?はたまた余命宣告とか?
……想像してた、悪夢が現実になっちゃうの…?
診察室が近づいてくる。
…やだ。やだ。知りたくない!
やっぱり…知りたくない!
診察室についたら、すべて言われる。
「…亮樹兄ちゃんっ!」
「ん、なに?」
返事はするけど、止まってはくれない。