生き続ける意味
「…桜、大丈夫。」
なにが…なにが大丈夫なの?
全然大丈夫なんかじゃないよ。
っていうか、この車イス乗ってる時点で、こんな体が弱ってる時点で…わかることじゃん。
なに、期待してんだろ。
そう思うと、いっきに心に大きな穴があいたようなかんじだった。
「ねぇ、ちょっと落ち着こうか。息吸ってーはいてー。」
言われたとおり、息を大きく吸うと、すこしだけ苦しくなくなった。
けど、心臓の音はますばかり。
「まだ息苦しい?」
「ううん…」
亮樹兄ちゃんは机の棚をごそごそと探ると、紙を取り出した。
「んー、早く話しちゃったほうがいいか……」
独り言のように言う亮樹兄ちゃん。
え…!
「亮樹兄ちゃん…やだ。まだやめて…」
まだ心の準備ができてないもん…