生き続ける意味
……立てた。
ちょっとふらふらするけど、大丈夫…。
けど、亮樹兄ちゃんはびっくりしてあたしを支えた。
「え、おい大丈夫……」
「ありがとう!!!」
あたしの声は、亮樹兄ちゃんの声をかき消した。
「亮樹兄ちゃんありがとう。亮樹兄ちゃんがいなかったら、あたし治せてなかったよ、病気。
亮樹兄ちゃんが最後まで治してくれたからっ………あたし、生きれる。」
亮樹兄ちゃんはびっくりしたように目を開いたけど、優しく微笑んだ。
「…どういたしまして。」
なんだか照れ恥ずかしくて、いそいで車イスに戻った。
「けど、治療したり痛いことする俺は嫌なんじゃないの?」
いたずらっ子のような顔でそう聞かれた。
「そうゆうことする亮樹兄ちゃんは嫌だけど、普段の亮樹兄ちゃんは好きなの。」
…ほんとは、大好き、だけどね。
「ふふっ、そこは変わんないんかい!」
そう言いながら、車イスを押して診察室を出た。