生き続ける意味
ガタッ……
車イスから崩れ落ちた。
足に力が入らなくなって、手が震えてきて…
「は、晴、ちゃん…」
弱々しい、情けない声。
あたしの手に繋がっていた点滴が、引っ張られて抜けた。
おそるおそる、ベッドまで近づく。
一度、目をつむった。
これは、現実なんだ……けど、さっき見たのは見間違いかもしれない…
意を決して、膝立ちをし、晴ちゃんの顔をのぞく…
そうしようとしたが、無理だった。
やっぱり、白い布がかぶさっていたから。
これ…は、亡くなったときにかぶせるもの?
ほんとに、その布?
お布団の上に出ている、晴ちゃんの手をきゅっと握りしめた。
「冷たい……」
前に握った温かさはなくて、冷たくて、すこしだけ固くなってた。