生き続ける意味
「ねぇ、晴ちゃん?」
起きて、目を開いて。
両手で、晴ちゃんの手を握った。
体温を分け与えるように。
その顔は、穏やかで、とても亡くなってるようには見えなかった。
…けど、前みたいにうすピンクに染めた頬は、なくなっていた。
…ほんとに、死んじゃったの?
昨日、亮樹兄ちゃんから危ないってこと聞いて、その翌日なのに。
心臓がバクバクして、壊れそうだった。
息も荒くなって、汗も出てくる。
なんで、昨日行かなかったんだろう。
なんですぐに行ってあげれなかったんだろう…!
やだ。やだって。
晴ちゃん、なんで…なんで死んじゃったの?
あたし、あたしっ……
あのまま終わりたくなかった。あれが最後に晴ちゃんと話したことなんて。
「晴ちゃん、晴ちゃんっ!!」
そう思うと、突然に涙が出てきた。