生き続ける意味







"約束ね。卒業式はふたり絶対に出る。

そしたら、私も高校行くか考えてみる。"





この約束、晴ちゃんとしたよね?




ちゃんと卒業式でたのかな?それも聞けてないよ……


それに、高校は……




「ねぇ、ひどいよ…約束したじゃん。卒業式と、高校……。あたし、まだ何もっ…何も聞いてないのに。」




それに、晴ちゃんが退院したら、真っ先にあたしがお祝いしてあげたかった。






やっぱり、祈るだけじゃ、がんばっても、かなわないことはあるのかな……




くやしい。くやしい……






「晴ちゃんのばかぁ……なんで死んじゃったのっ?」




あたしの声だけが、病室に響く。



けど、その返事はない。





「ひっく…ひっく……晴ちゃん、ごめんねっ…ごめん…!」




泣きながら、何回も謝った。



涙でぐちゃぐちゃで、テーブルにあるテッシュを取ろうとした、とき。



ピラっと、ひとつのピンクのかわいらしい封筒が落ちた。












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