生き続ける意味
「…それ、晴ちゃんの部屋で見つけたのか?」
気がつくと、いつの間にか亮樹兄ちゃんがいた。
「亮樹兄ちゃんっ…なんで?」
亮樹兄ちゃんは聴診器と体温計を取り出した。
「回診。ちょっと早めの。」
亮樹兄ちゃんはあたしに体温計をわたした。
「それ、晴ちゃんがお前にって。」
「…ほんとに?」
「うん。ICUに入る前に書いたみたいだけど…」
ICUって……!!入る前から?ってことは、こうなるってわかって…
「……ん、音はいいね。大丈夫。
…桜、ごめん。昨日連れてけばよかった。」
亮樹兄ちゃんも、目が少し赤くなってた。
「…ううん。亮樹兄ちゃん、すこしひとりになりたいの…。」
亮樹兄ちゃんはうなすくと、病室から出ていった。