生き続ける意味











退院したら、まずは晴ちゃんのお家にお参りをしに行きたい。



これは、ずっと決めていた。




晴ちゃんが亡くなった直後は、あたしも治りかけているとはいえ、まだ病気と闘ってたから、お通夜とかには出れなかったから……。






あたしの体力は、じょじょに、少しずつだけど回復していって、10月の終わり頃には一時退院も増やして。




だから、高校にもすこしだけお邪魔した。



文化祭も人混みはほんとはダメだけど、ほんのすこし顔を出して、そのときに、翔たちからクラスのみんなに紹介してもらった。






って言っても、学校行けるようになるのは冬休み明けからだけどね?





去年の今頃、再発を宣告されて、一年後の今、こうやってお祝いしてもらってるなんて、想像もついてなかった。




みんなが笑ってて、あたしも笑ってる。



この風景を見ると、まだ信じられなくて……



じんわりと涙腺が緩んでくる…けど。





「もう泣けないだろ?お前どんだけ泣いたんだよ。」




り、亮樹兄ちゃんっ!



たしかに。そう。



昨日、ついに退院なんだって、ようやく実感できて、感動して泣きわめいたんだよ。












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