生き続ける意味
亮樹兄ちゃんは苦笑い。
「この前の外泊でここ通ったのに?」
ううん、違うの。退院して、やっと普段の生活に戻った今は、キラキラして見えるの。
待合室も、走り回る子どもも、患者さんも。
エントランスを通り、外へジャンプをして出た。
「出たーー!病院から出れたーー!」
めっちゃ大声で叫びたかったけど、まわりの迷惑も考えて、控えめにした。
「こらっ、桜うるさいよ!患者さんに迷惑でしょう!」
亮樹兄ちゃん、これでもおさえたんだけど……。
ぴかぴかと輝く太陽と、透き通るような冷たい風は、とても心地が良かった。