生き続ける意味
「え、ちょっと。どっか調子悪い?……あ。」
あたしのノートを見て、あたしの頭に手を置いた。
「あたし…なんかよくわからないけど、泣いちゃって……」
亮樹兄ちゃんは、微笑んであたしの隣に座った。
「がんばったね、桜は。」
…え?
「よく乗り越えたな。」
亮樹兄ちゃんっ……だめ。それ以上いったら、また涙が…。
あたしは静かにノートを閉じた。
そして、リュックの中の物を出す。
片付けなきゃね。
「うんっ…!でも、治すって決めてたから。がんばれた。」
「そうだね。けど、治そうって思っても、簡単に治せるようなもんじゃないからさ。
だから、桜はすごいよ。」
うん…それは、わかってた。
治すっていっても、なにすることもできないし、これをしたら絶対治る!ってものがないから。
「あたし、わかってたよ。絶対に治るようなもんじゃないってこと。
ほんとは、移植したとき、やばかったんだよね……?死んじゃうかもって。」
あたしの言葉に、亮樹兄ちゃんの表情が固まった。