生き続ける意味
「亮樹兄ちゃん、すごく大変なの知ってたよ?
亮樹兄ちゃん自身も、あたしの心配とか……いろいろ大変だっただろうに、あたしの治療とかまで……。
だからね、できることなら余計な心配はかけたくなかっただけ!」
ニッと笑うと、わしゃわしゃっと頭をなでられた。
「ありがとな。桜。」
「ううんっ!あの……亮樹兄ちゃん、ありがとう!ずっと支えてくれて、病気治してくれて。」
亮樹兄ちゃんは首を振った。
「どーいましまして。けど、治したのはオレじゃなくて、桜だろ?
桜が負けずに頑張ったから。
途中でくじけそうになっても、最後までがんばれたね!」
「ふふっ…うん!」
そうだ。途中、もう何もかも嫌になって、苦しくなって、生きることを投げ出そうとしてたけど…。
それでも、踏ん張ったよね。あたし。
治療だって、嫌だったけど、がまんした。
みんなにできて、自分にできない事が悔しくて、なんで自分はこんな目に合うのって思って泣いたし。
けど、ぜんぶぜんぶ乗り越えたから、今のあたしがいる。
それは、あたしだけが頑張ったんじゃない。