生き続ける意味
リビングに入るなり、あたしは亮樹兄ちゃんの手を握った。
「亮樹兄ちゃん...。」
あたしに手を握られて、振り向く亮樹兄ちゃん。
「ごめんね... 。勢いでそのまま言っちゃったの。ごめんなさい。」
あたしは涙が出そうなのをがまんしながら言った。
亮樹兄ちゃんにひどいこと言った。9歳のときから一緒なのに、もう6年もずっと一緒で家族もどうぜんなのに。
亮樹兄ちゃんは、なにも言わずに微笑むと。
「うん。大丈夫だよ。」
そう言った。
...うそだ。声が震えてるよ、亮樹兄ちゃん。あたし、亮樹兄ちゃんをそんなに悲しませること言ったんだ。