生き続ける意味
亮樹兄ちゃんは、意外にもふっと笑い、あたしの目線に合わせた。
「うん。まぁたしかに俺と桜とは小さいときから一緒だけど...こんなに長い時間、一緒にいると、不思議と家族みたいな存在になるんだよ。」
......亮樹兄ちゃん。
なんだか胸があったかくて、それと同時にひどいこと言ったなと改めて後悔した。
「桜は?どう思ってるの?」
「......あたしは、亮樹兄ちゃんしかいないもんっ... 。ひとりだけの家族なの...。」
そう言うと、亮樹兄ちゃんは微笑んで頭を撫でた。
「そうだね。じゃあもういいよ、桜。...でも、俺ほんとうに悲しかったんだよなぁ...。」
苦笑いをして、頭をポリポリとかいた。
「っ...ごめんね。」