生き続ける意味
あたしはもう、聞こえるか聞こえないかのような声を振り絞って言った。
「だから、もういいって!気にすんな。わかってるから、本心じゃないこと。」
あたしは小さくうなずいた。
あっ。そうだ。...言わなきゃ。
もう決めたっていうのに、いざ言うとなると、心臓の音が速くなる。
「亮樹兄ちゃん。......あたし、治療...うける.....っ。」
消えそうな声をなんとか頑張って出した。
すると、あたしの目の前にうつるのは、はとが豆鉄砲をくらったようなポカンとした顔。
「へ... ?いまなんて?ち、治療するの?」
...なんでそんなに、驚いてるの?あなたがしろって言ったんでしょ。
たっぷり1分かたまると、亮樹兄ちゃんはあたしの頭をもうメチャクチャになでた。
「いっ、痛いって!ちょっと...。」