生き続ける意味

ようやく終わったかと思えば、笑顔を見せた亮樹兄ちゃん。


「ほんとか?えらいっ!!桜、自分から治療受けるって言ってくれたの?...すごっ!」


.....いや、今年1番の喜びみたいなしないでよ。っていうか、もうすぐ今年終わるんですけど...。


でも、亮樹兄ちゃんの笑ってる顔がうれしくて、つられて笑っちゃう。


「うわー、こんなこと初めてだな。カレンダーに記念日って書けるレベルだぞ。」


っ!うるさいっ!そこまであたしの病院嫌いひどくないでしょ!


...たしかに自分から言ったことなんてなかったかもしれないけど。


「うるさいなぁ...。たまには、あたしもこういうこと言うんだよ。」


けど、亮樹兄ちゃんはよけいに笑いはじめた。


でも、急になにか思い出したように、はっと笑いが止まって。


< 87 / 737 >

この作品をシェア

pagetop