[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。
湊君以外の私たち4人、そして教室に残っていた数人の間に指先すら動かすことが出来ないほどの衝撃が走った。
異常な雰囲気にようやく気付いた湊君はノートから顔を上げ、じっと私を凝視してきた。
「……俺さ、さっきなんて言った?」
私は両目を左手で覆い、言った。
「『ありがと、実花』……って言った」
「まじで俺、実花って言った?」
確認してくる湊君に、私は小さくうなずく。
「言った」
うん、私の聞き間違えとかじゃなくて。
確かに湊君は私を『実花』って呼んだ。