[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。
実花の普段の歩く速さは俺にとっては結構ゆっくり。
でも実花のペースに合わせてのんびり歩くのも結構好き。
それとさ、気付いていないみたいだけど実花はまだ俺の手を握ったまま。
指摘したら離してしまいそうだから絶対に言ってやらない。
このまま気付かなくていいよ、鈍感姫。
……とは思ってもそういうわけにもいかず。
海辺に到着して、砂浜の上に並ぶ屋台を見た実花は俺の手を離して駆け出した。
まるで子供みたいに、無邪気に。
「見て見て!!すっごい屋台あるよ!!」
「言われなくても見てるって」
「あっ、クレープとかも売ってる!!湊君はどれ食べたい?」