[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。



「あ……っと、二條実花です」



運がいいことに、私と湊君のまわりに人がいない。

だからきっとあたしがさっき『伊塚君』って呼んでしまったのは誰にも知られてない。


実は同居してて、今日がファーストコンタクトじゃないことも把握しているのは私たち自身だけ。



「そっか。俺は伊塚湊。よろしくね、二條さん」




王子様スマイルだ。

……実際、そんな笑顔を家で浮かべることはほとんどないんだけど。



この人、高校で嫌というほどモテる運命たどりそうだなー……。



そんなことを思いつつ、小さくはにかんでうなずいてから黒板に掲示されている座席表を見る。



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