[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。
すると湊君は王子様みたいな笑顔を見せ、私に向かって両腕を伸ばした。
「実花」
優しい声でそんな風に呼ばれて、誰があの優しいぬくもりの中に飛び込まずにいられようか。
私は駆け出し、湊君に向かって腕を伸ばした。
そして優しくて暖かい胸の中に飛び込んだ。
「おっと……勢い強すぎ。イノシシか」
「湊君、大好き。私も大好きだよ……!!」
もう会場から悲鳴は聞こえてこなかった。
聞こえてくるのは黄色い歓声と、大きな拍手だけ。
なんて幸せな瞬間なんだろう。