[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。




私よりもずっと几帳面で細かい湊君。



「……そこ、まだ皮残ってる」



私の手元のにんじんを覗き込んで目ざとくそんなことを言ってくる湊君が、じゃがいもの芽ひとつ見逃すわけないか。



「細かいなぁ。食べられるよ?」


「俺が細かいんじゃなくて実花が適当すぎなんだろ」



キッチンでそんな言い合いをしている私と湊君を見て、リビングのソファに座るお母さんはケラケラと笑っている。



「ふたりとも、本当にお似合い」



「お母さん!!からかわないで!!」



そう言うとお母さんは「はーい」と言って、それでもケラケラと笑い続けた。



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