甘い恋じゃなかった。
♡肉を食べて、夏。
「でね?もう本当に綺麗でさ!クライマックスなんて凄かったんだよ!?もう、花火のイルミネーションや~って、そんな感じ?」
「ふーん…」
月曜日。昼。社食にて。
しょうが焼き定食を食べる私と、牛丼(大盛)を食べている莉央。
土曜日の花火大会の感想を話す私に、莉央がモグモグと口を動かしながら相槌を打つ。
「そんなに楽しかったんだ?」
「うん、楽しかった!花火大会なんて行くの久しぶりだったからかな?」
「へーえ」
何か言いたげな目つきでじ、と私を見る莉央。
「な、なに」
「別に?それって花火のせいだけじゃなくて、一緒に行った人も関係あるんじゃないのかなぁと思って」
先程、莉央には桐原さん(カバ男)と一緒に花火大会に行ったということは話してある。
「何それ、どういう意味?」
「言葉通りの意味ですけど?」
そして莉央は水を飲んでから口を拭うと「会わせてよ」と、まるで水のおかわり持ってくるわ~、とでもいうような気軽な調子でそう言った。
「は?会う…?」
「会ってみたい、カバ男に♡」
マジですか!