甘い恋じゃなかった。
「え…?」
牛奥の顔がサ、と曇った。困ったように眉をひそめる。
「…ま、来たくないんならいいけど。行こ明里」
「ちょっ…!」
素っ気なくそう言って歩き始めた莉央を慌てて追いかけた。
「莉…」
「行くよ」
はっきりと背中に届いた声。
振り向くと、牛奥の真っ直ぐな瞳とぶつかった。
「そ?じゃぁまた予定連絡する」
「おう。よろしく」
「じゃぁね」
なんか、私の意見など全く関係なくどんどん話が進んでいく…!!
「ちょっと莉央!」
「なに?」
涼しい顔した莉央が横目でチラ、と私を見る。
「私まだ会わせるなんて言ってないよね!?しかも何で焼肉!?」
「んー?私が食べたいから♡」
「牛奥だって勝手に誘って…」
「だって4人の方がバランスいいし。牛奥も知り合いっていうなら丁度いいじゃん?」