甘い恋じゃなかった。





「え…!?」



桐原さんが真ん中からゴソッと大胆にケーキをすくって、そのまま口にいれる。



な、なんてワイルドな食べ方…。




呆気に取られてそれを見ていると、カッ!と桐原さんの表情に衝撃が走った!




「クッソまず!!!」




「……え?」




クソ…?




吐き捨てられた言葉を瞬時には受け取れられず茫然としていると、桐原さんがまるで犬のフンを見るような視線を私に向けてきた。




「なんだこのケーキ!?
クリーム甘すぎスポンジ固すぎ、おまえ、ナメてんのか!?」



「な、ナメ…!?」



「生地つくるときちゃんとかき混ぜてねーだろ!?
砂糖の塊残ってんだよ!」



「そ、そんな…ちゃんと混ぜたつもり…」


「言い訳すんな!お前がやったことの結果が全部ここに出てんだよ!」




チャリーン!



桐原さんがフォークでケーキが乗っている皿を叩く。




「こんなの犬のエサにもなんねぇ」




ひ、酷過ぎる…!!(そして、犬に謝れ!!)




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